想像妊娠のメカニズムと出産方法

想像妊娠のつわり 妊娠していないのに、妊娠したときと同じように体が反応する現象を想像妊娠といいます。
偽妊娠とも呼ばれ、人間だけでなく家畜にも見られます。
想像妊娠のメカニズムは完全には解明されていませんが、妊娠したと強く妄想することで、脳が卵胞ホルモンの分泌を増やすせいだと言われています。
脳が体調に大きな影響を及ぼす例のひとつです。

想像妊娠の主な症状は、月経の遅れや停止、つわり、乳首の黒ずみや母乳の分泌などです。
これらの症状は、普通は受精したとき増加するホルモンの作用を受けて起こるもので、実際に受精したかどうかには関係ありません。
またお腹が膨れたり、中で胎児が動いたように感じる人もいます。
さらに出産予定日に近くなると、陣痛を覚える場合もあります。

もちろん実際には妊娠していないので、 想像妊娠で出産することはありません。
しかし海外では、本物の妊娠と間違われ、帝王切開で出産が試みられたケースも報告されています。
日本では尿検査やエコー検査で妊娠が 確かめられるため、そこまで進む可能性はほとんどありません。

想像妊娠は妊娠を強く望んでいるときや、強く恐れているときに起こりやすくなります。
昔の日本では家の跡継ぎを生むことが女性への強いプレッシャーになっていたため、想像妊娠が多く見られました。
現在では避妊に失敗した場合や、意に添わない性行為をしてしまった場合に見られることがあります。

病院へ行けば妊娠を確認できますが、市販の妊娠検査薬でもチェックできます。
妊娠検査薬は卵胞ホルモンではなく、実際に妊娠したときしか分泌されないhCGホルモンで検査するため、想像妊娠かどうかを明確に区別できます。

想像妊娠は脳のメカニズムで起きるため、本人が「妊娠していない」ことをはっきりと自覚すれば、症状は解消するのが普通です。
そのためには病院で検査を受けるか、妊娠検査薬を使用するのが簡単な方法です。
ただし本人があまりにも強く妄想していると、なかなか症状が解消されないこともあります。

想像妊娠を治療するには、まず脳の過剰なストレスを取り除く必要があります。
特に妊娠に関するプレッシャーがある場合は、婦人科のほか精神科や心療内科に相談するのもよいでしょう。
また脳だけでなく、体全体のホルモンバランスを考慮することも大切です。
十分な栄養と睡眠をとって規則正しい生活を送ること、場合によってはピルで月経周期を整えることなども効果的な対策になります。

性行為をしたことのない相手でも想像妊娠してしまう

常識的に考えれば、性行為をしなければ妊娠することはあり得ません。
ただし近年では人工授精によって、性行為なしでも受精することは可能です。
いずれの経験もない場合は、想像妊娠が起こる余地はないと考えられます。
ところが実際には、性行為をしたことのない相手でも想像妊娠してしまうケースが報告されています。

かつては十分な性教育が行われておらず、妊娠のメカニズムを知らないために、性行為をしなくても妊娠したと思いこむ女性が、意外に数多くいたと言われています。
現在ではネットなどを通じて、性知識は広範に普及していますが、断片的な知識や誤った知識が拡散してしまう場合もあります。
このような間違った思いこみが想像妊娠につながる可能性は否定できません。

また実際に性行為をしていなくても、性行為をしたという強い妄想さえあれば、想像妊娠する可能性はあります。
人間の体の働きは微量のホルモンに支配されており、そのホルモンは脳にコントロールされています。
病は気からと言いますが、気の持ちようで体調は大きく変化します。
そうした症状の典型が想像妊娠であり、普段からストレスを和らげリラックスすることが、予防するポイントになります。